マウスピース

●良いマウスピースの大切さ
アルプホルンを演奏するためには良いマウスピースが必須です。良い楽器、良いマウスピースの両方が揃って初めて、しっかりとした演奏・練習をすることができます。もし「どうも吹きにくく感じる」「吹いた後に調子が悪くなる」「音が良く外れる」という場合は、練習不足ではなく、マウスピースの問題を疑ってみましょう。

「初心者だからまずは手元にあるこのマウスピースで吹けるようになってから」というのは間違いです。

経験者はもちろん、初心者だからこそ、良いマウスピースで練習することが上達への近道です。

以下に良いマウスピースの選び方を紹介します。

● 内径は大きめなものがおすすめ
トランペットやホルン など金管楽器の経験がある人にとって、マウスピースの内径は15.0~17.0mm前後が一般的です。アルプホルンはそれらよりも一回り大きいサイズのマウスピースが適することが多いので、まずは内径18mm~19.0mmのものから試してみることをおすすめしています。ユーフォニアム・テューバ奏者のためには内径の大きな24mmのものもあります。

● スタンダードシャンクとストッカーシャンク
マウスピース側の差し込むテーパー(傾斜)の付いた部分と、楽器側で受ける部分(レシーバー)のテーパーが合っている必要があります。

<ストッカーシャンク(右側)>

日本で多く使われているストッカー(Stocker)、ノイマン(Neumann)などのテーパーは、いずれもモールステーパー2番(5/100mm)という規格になっています。これは「ストッカーシャンク」と言います。

<スタンダードシャンク(左側)>

比較的角度の急なテーパー (9/100mm) 「スタンダードシャンク (写真左側) 」です。ストッカーシャンクよりも息の流れがスムーズで演奏もしやすく、最近のアルプホルン製作者はほとんどがこのシャンクを採用しています。

日本国内にある楽器を見ると、海外製のほとんどはストッカーかノイマンです。自作楽器の場合は両方のケースがあります。マウスピースを探す時には、自分の楽器がどちらのシャンクなのか調べておきましょう。

●良いマウスピースとの出会い

マウスピースは楽器と同じか、それ以上に重要な部品です。しかし、良いマウスピースはなかなか入手することができません。国内で購入できるものの中には高価でも演奏困難なものもあります。そうしたマウスピースを使っていたら、練習しても上達できないばかりか、かえって調子を崩して吹けなくなる危険性もあります。

私自身も楽器を入手してからいくつかのマウスピースを試しましたが調子を崩したり音を正確に出すことが難しく、選択に非常に悩みました。1年近くスイスやドイツ、国内から取り寄せて検討した結果、ドイツのAndreas Bader氏、スイスのHelvetic Alphornの製品と出会うことができました。

自分と同じようにマウスピース選びに悩んでいるアルプホルン吹きは国内に多いようです。そのような方に、Bader、 Helvetic Alphornのマウスピースは自信をもってお勧めできます。ぜひこの素晴らしいマウスピースを使って貰って快適な演奏をしてください。