楽器の取り扱い

アルプホルンを長く使い続けるためには使用後の手入れや掃除、保管時に注意すべきことが多くあります。アルプホルンは精密な木工製品です。丁寧に取り扱って大切に使いましょう。

●取り回しに注意

アルプホルンは分解時で1.5m程度、組み立てれば4m近くなる大きな楽器です。室内はもちろん、広い屋外では、特に組み立てた状態での持ち運び、立て掛け時には注意しましょう。

特にベルリングはぶつけやすく欠けやすいことに注意が必要です。樹脂やウレタン、布などでベルリングを覆うクッションを作っている人も多くいます。

また、組み立てた状態で倒れたり落としたりすると、ジョイント部に衝撃や負荷がかかり、すぐに割れたり折れたりします。修復は困難ですので、最大限に注意しましょう。

●使用後の手入れ

使用後は、管の内部に水滴が付いています。バッグに収納する前にスワブ等を通して水気を拭き取っておきましょう。カビを防止し保管時の臭いの発生を抑え、楽器の寿命を延ばすことにも繋がります。

● 保管時の注意

楽器はバッグに入れた状態で立て掛けることはやめましょう。専用のスタンドを使って楽器の下部を支えて立てるか、バッグに入れて床などに横たえた状態で保管してください。

また、温度変化の激しい場所、直射日光の当たる場所での長期保管は避けましょう。湿気や温度などで木材は変形していきます。楽器の立て掛けは反りの発生に繋がります。

● スタンドの使用

アルプホルンを立てて置きたい場合は、専用スタンドを使用するとよいでしょう。自作するか、海外の通販サイトから輸入して自分の楽器に合わせて改造する必要があります。

●ニスの剥がれや楽器の割れ

使用と共に楽器に傷が付き、ニスが剥げて木材の地が出てくることもあります。そこに水分などが入り込み割れの原因になることもあります。目立つ部分にはニスや木固め剤を塗布しておくと良いでしょう。

一方、乾燥や温度変化、衝撃などで楽器に割れが発生してしまったら、音にも影響が出ます。

根本的な修復は基本的には不可能で すが、それ以上の割れ拡大を防ぐために、接着剤などを用いて補修することで対応します。